親知らずは永久歯の中で最も後ろに生えてくる歯で、一般的に10代後半から20代にかけて生えてきます。親知らずと聞くと、抜かなければならないというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、すべての親知らずが問題を引き起こすわけではなく、抜くべきものと抜かなくてもよいものがあります。今回は、抜歯が必要なケースと不要なケースについて詳しく解説します。

抜いたほうがよい親知らず

 ・横向きや斜めに埋まっている親知らず

親知らずが歯ぐきや顎の骨に埋まったままの状態を「埋伏歯」といいます。特に、横向きや斜めに埋まっている場合、隣の歯を圧迫し、痛みや歯並びの乱れを引き起こすことがあります。

・むし歯や歯周病のリスクが高い場合

親知らずは奥に位置しているため歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病になりやすいです。特に、親知らずと手前の歯の間に汚れが溜まりやすい場合、放置すると隣の歯までむし歯になってしまうことがあります。

・痛みや腫れを繰り返す場合

親知らずが部分的に生えていると、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。これを「智歯周囲炎」といい、腫れや痛み、膿がたまる原因となります。炎症を繰り返す場合は、抜歯が推奨されます。

・矯正治療の妨げになる場合

歯列矯正を行う際に、親知らずがあることで歯の移動が妨げられる場合があります。矯正治療の計画によっては、事前に親知らずを抜くことが勧められることがあります。

抜かなくてもよい親知らず

・まっすぐに生えて機能している場合

親知らずがまっすぐ生えて上下の歯と正しく噛み合っている場合、特に抜く必要はありません。他の奥歯と同じようにしっかりとケアし、むし歯や歯周病のリスクを抑えることが大切です。

・完全に埋まっていて問題がない場合

完全に顎の骨の中に埋まっており痛みや腫れがない場合、必ずしも抜く必要はありません。ただし、将来的に問題が起こる可能性があるため、定期的に歯科で経過観察することが重要です。

・健康な歯として移植に活用できる場合

抜歯が必要な別の歯がある場合、親知らずを移植歯として利用できるケースがあります。移植が可能な状態かどうかは歯科医師の判断が必要です。

まとめ

親知らずは、必ずしも抜歯が必要なわけではありません。痛みや炎症、歯並びへの影響がある場合は抜いたほうがよいですが、正しく生えて問題がない場合は抜かずに維持できます。親知らずの状態は個人差があるため、気になる場合は歯科医院で診察を受け、自分にとって最適な対応を検討しましょう。

親知らずについて気になる方は、お気軽にご相談ください😊