歯周病
- 位相差顕微鏡を用いて歯周病の原因となっている細菌の種類や数を確認
- 細菌を除去するための薬剤(抗生物質)の内服
- ご自宅で細菌除去効果の高い歯磨き粉(カビとり歯磨き剤)をもちいたブラッシング
- 歯科医院でのメンテナンス(歯石とり・クリーニング)
【担当衛生士制】患者さま一人ひとりに専属の衛生士が付いてケアをします。
当院では、一人の患者さまを専属の衛生士が担当する「担当衛生士制」を採用しております。
患者さまのお口の中の記録は院内でもしっかり管理しておりますが、たとえ写真や文章などで詳細に記録していたとしても、やはり同じ人が経過を追って担当していた方がお口の中のちょっとした変化にも気が付きやすいからです。
歯の磨き方・食事の傾向・生活のリズムや習慣などは、患者さま一人ひとり異なります。
担当の衛生士はそういった患者さまの背景も考慮しながら、効果的に治療やケアができるようにアドバイスや処置(PMTC)を行わせていただいております。
歯周病の検査
位相差顕微鏡
お口の状態を正確に把握するために
お口の中にいる細菌を生きたままの状態で観察し、細菌の量や種類を特定することができます。
とくに歯周病治療は細菌によってアプローチ方法が変わるため、より的確な治療が可能になります。
顕微鏡を通して見える映像は、モニターを通して患者さんも一緒にご覧いただけます。
唾液検査
むし歯や歯周病になるリスクを検査
唾液の状態は、むし歯と密接な関わりがあります。
専用機器を使って唾液を検査し、むし歯や歯周病のリスクやお口の中の健康状態を測定しています。
歯周病菌、歯原性菌血性原因菌検査
(リアルタイムPCR検査・簡易酵素検査)
近年、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病をはじめ、全身の多くの疾患が歯周病と深い関連性がある事が判明しています。
それは分かりやすく言うと、歯周病で腫れたお口の中は毛細血管がボロボロにただれた、傷だらけの状態で、お口の中の悪玉菌が血液を介して全身に巡っていくからです。
基本的にはお口の中の汚れをお掃除して腫れた状態を改善していくのですが、お口の菌の悪性度が高いと、治療していても菌があちこち転移して思う様に改善しません。
特に、慢性歯周病に大きくかかわりとされている「レッドコンプレックス」と呼ばれる3菌種:P.g.菌(プロフィロモナス・ジンジバーリス菌)、 T.f.菌(タンネレラ・フォーサイセンシス菌)、 Td.菌(トレポネーマ・デンティコーラ菌)が見つかった場合は治療が難航することが予想されます。
効率よく治療をすすめるためにも、まずはリアルタイムPCR検査法により、ご自身の症状の原因をしっかりと分析することが大切です。
当院では、場合によっては上記の様な精密検査を行い、病原性の高い状態であれば、抗菌剤等を用いた化学療法を併用して、治療効果の増大を図っております。
当院の歯周治療
歯周内科治療
歯周内科とは、歯周病菌に効果のある薬(抗生物質)を用いて歯周病を改善する治療法のことを言います。
従来、歯周病の治療と言えば歯磨き指導と歯石除去などのクリーニングが中心でしたが、このような治療法では歯周病菌を完全に除去することは出来ず、重度ともなれば、「毎日長時間の歯磨きが必要」「ずっと通院していて先が見えない」などといった、精神的にも時間的にも大きな負担がかかってくることが多々ありました。
しかし最近では、位相差顕微鏡を用いて歯周病の原因となっている歯周病の原因となる細菌の種類、数を特定し、それらに効果のあるお薬を服用していただきながら、従来の歯周病治療を受けていただく「歯周内科」という治療法が普及しつつあります。
歯周内科治療の流れ
ブラッシング指導
ブラッシング指導とは、歯磨きのやり方の指導のことです。
歯磨きのやり方なんて、教えてもらわなくても解ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ご自身ではちゃんと磨いているつもりでも、プラークを落としきれていないケースがとても多いでのす。
また、歯並びや歯の状態は年齢を重ねると共に変化してきますので、その時その時のご自身のお口の状態にあったブラッシング方法をマスターする必要があります。
当院では、患者さまのお口の中の状態や、磨き方の癖なども考慮しながら、丁寧に指導させていただいております。
スケーリング&ルートプレーニング
スケーリングとは、歯に付着しているプラークやこびりついた歯石を、スケーラーという専用の器具で除去することです。
歯石は、時間が経てば経つほど硬くなり、ブラッシングではなかなか取ることができません。そのため、プロの手によるケアが必要となります。
また、スケーリングの後はルートプレーニングを行い、歯の根の表面をツルツルになるように磨いていきます。こうすることで、歯の表面にプラークが付きにくくなります。
軽度~中等度の歯周病であれば、ご家庭でのブラッシングと歯科医院でのスケーリング&ルートプレーニングをしっかりと行うことにより、ほとんどの症状は改善が可能です。
歯周外科治療(フラップ手術)
歯周病が進行し歯周ポケットが深くなってしまうと、スケーリングやルートプレーニングでは歯周ポケットの奥深くまで入り込んでしまった汚れや歯石を除去することが非常に困難になります。
そのような場合には、歯ぐきの側面から歯ぐきを切り開き、歯根近くにある汚れを直視下で除去するためのフラップ手術が有効になります。
スケーリングやルートプレーニングの場合とことなり、直接目で汚れを確認しながら除去していくことができるため、歯石や細菌を徹底亭に取り除くことができるのがメリットですが、その反面、外科手術を伴う処置のため、患者さまのご負担は大きくなってしまう傾向にあります。
また、症状によっては適用できないケースもありますので、担当の歯科医師とよく相談されることをおススメします。
再生療法
リグロスによる再生医療
当院ではスタンダードな歯周病治療はもちろん、歯周病の外科治療や再生治療も保険診療で行っております。
再生治療では、歯周病で破壊された歯肉や歯槽骨に医薬品を使って、再生を促します。 歯周病が悪化していても、歯周組織を再生させる薬などを用いた外科手術で、抜歯せずに治療できることがあります。
リグロスによる再生医療保険診療が可能です。詳しくはスタッフまでご相談ください。
エムドゲイン(自費治療)
エムドゲインとは、豚の歯胚組織からつくられたタンパク質を主成分とする歯周組織再生材料で、歯周病で溶けてしまった骨や歯周組織を再生させる治療です。
治療方法は記リグロスとほぼ同様で、フラップ手術により歯石や汚れをしっかりと取り除いたあと、失われてしまった骨の部分にエムドゲインゲルを塗布することで骨の再生を図ります。
エムドゲインは世界の約40ヶ国以上で使用されている安全性の高い材料で、2002年には日本でも厚生労働省の認可を受けておりますが、保険の適用が認められていないため、自由診療での治療になってしまいます。
また、すべての症例に適応できるわけではございませんので歯科医師とよく相談して治療を進める必要があります