食欲の秋真っ盛りですが、日頃の食事で「よく噛む」ことを意識している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。子どもには「よく噛みなさい」と声掛けをする方は多いかもしれませんが、大人も「よく噛む」ことはとても大切です。

 

〇よく噛むことのメリット

咀嚼回数を増やして「よく噛む」ことは、次に挙げるようなメリットをもたらします。

 

・唾液の分泌を促す

よく噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促されます。これはむし歯や歯周病の予防にも深くかかわってきます。

 

・胃腸の働きを促進する

唾液の分泌量が増えると食べ物を消化する酵素の働きも促進され、胃腸での働きを助けてくれます。

 

・肥満予防

よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを予防できます。

 

・味覚の発達

よく噛むことで味細胞(味を知覚する細胞)が刺激され、食材の味がよく分かるようになります。

 

・脳への刺激を活性化する

噛んだ刺激は脳に伝わって血流を促進します。これにより、脳が活性化して認知症を予防する効果を期待することができます。

 

・自律神経のバランスを整える

よく噛むことで副交感神経の働きが活発になり、ストレス軽減やリラックス効果を得られるといわれています。

 

・口周りの筋肉が鍛えられる

よく噛むことで口周りの筋肉が鍛えられ、はっきりとした発音を維持できたり、表情が豊かになります。

 

〇よく噛む、とは何回噛めばよいのか

では具体的に、「よく噛む」とは何回程度噛むことを指すのでしょうか。厚生労働省の資料によると、現代人の一口当たりの咀嚼回数は10~20回といわれています。しかし、上記のような「よく噛む」メリットを最大限に発揮するには、30回を目安に噛むことが推奨されています。よく噛むためには、急いで食べない、飲み物で流し込まないといったことにも気をつけましょう。ゆっくりとよく噛めば食べ物は細かくなるため、自然に飲み込むことができます。

 

〇まとめ

このように、よく噛むことは様々なメリットをもたらします。毎日の食事はよく噛んで美味しくいただき、食欲の秋を満喫しましょう。